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障がいのあるアーティストとの出会いと対話から生まれる唯一無二のアート&プロダクト、「障がいのあるアーティストとのコラボレーションプロジェクト」始動‼

2024.02.19

TOKYO KNITは、障がいのあるアーティストの才能と日本の伝統技術を掛け合わせて、唯一無二のアートとプロダクツを生み出す「障がいのあるアーティストとのコラボレーションプロジェクト」に参画します。


「障がいのあるアーティストとのコラボレーションプロジェクト」ステートメント

障がいのある方々の中には、絵画や造形物を制作するなど、表現活動に秀でた人たちが存在します。彼等が生み出す作品を「生の芸術」「正規の美術教育を受けていない人による芸術」「既存の美術潮流に影響されない表現」などを意味する「アール・ブリュット」という芸術のジャンルとして少しずつ認められるようになりました。

近現代美術のコレクションとしてはヨーロッパ最大のフランス国立のポンピドー・センターには「アール・ブリュット」の常設展示コーナーが開設されました。世界的に著名なアール・ブリュットのコレクター、ブリュノ・デシャルム氏のコレクションから、242人・約1000点が寄贈されており、日本のアーティストの作品も収蔵されています。

豊かで純粋な才能に出逢い、感動し、アーティストをもっと知りたくなる。そして彼等との対話を通じて障がいを知り、彼等の人間性を知り、そして更に彼等のファンになっていく。障がいは特別なものではなく、日常にあり、それは社会全体で享受・配慮し、誰もが自分らしくいられる「共生社会」を目指したい。

また、世界に誇る日本の伝統技術が、障がいのあるアーティストの作品をモチーフに、さらに魅力のある1点モノのプロダクトとして創出。伝統技術もアートも両方が活きる。そんな想いで、「障がいのあるアーティストとのコラボレーションプロジェクト」はスタートしました。


第一弾となる、既存のアート作品を認証企業6社が洋服に落とし込んだ作品を、2024216日(金)に開催された「TOKYO LOVE KNIT」にてお披露目しました。Z 世代のインフルエンサーがモデルとして作品を着用。原画の魅力とは違った、個性豊かな洋服として異彩を放ちながらランウェイに登場しました。


■TKF×「障がいのあるアーティストとのコラボレーションプロジェクト」プロトタイプ(敬称略)


●コラボ企業:株式会社ズーム
製品:ドルマンスリーブTシャツ

アーティスト:カミジョウミカ 「人ひとヒトだらけだよ」
アーティスト:カミジョウミカ 「2012 つねに強気だがほどよく色っぽい火星人」

コラボ企業コメント:株式会社ズーム 加々村 征
今回のコラボレーションは、社会貢献という点で我々の仕事に更なる価値をもたらすだけでなく、我々の技術力向上にも大いに寄与しています。このような意義深いプロジェクトに参加できたことを誇りに思います。


●コラボ企業:株式会社川島メリヤス製造所
製品:ジャガードプルオーバー・パンツ

アーティスト:カミジョウミカ 上「2007 うじゃうじゃうじゃ」下「2008うちゅうじん」

コラボ企業コメント:株式会社川島メリヤス製造所 川嶋 和良
障害のあるアーティストの作品を見せていただいたときに、カミジョウミカさんの作品にインスピレーションが湧き、弊社の12色ゴムジャガード編みに適していると感じました。
実際にプログラムを組んで編んでみたところ思った通りの編地に出来上がりました。今後もプロジェクトに参加させていただきたいと思っております。


コラボ企業:有限会社オフィスホドタ
製品:パッチワークTシャツ(左)、Tシャツ(右)

アーティスト:カミジョウミカ 「みんなの手がよぶエスディージーズ」

コラボ企業コメント:有限会社オフィスホドタ 程田 裕平
障害のある方の描かれたアートが素晴らしく、そのアートを使用した洋服を作らせていただいたことが光栄です。初めは障害のある方の支援という気持ちで参加させていただいておりましたが、プロジェクトが進むにつれ、相互で価値を出して素晴らしいものを作りたいという気持ちになりました。


コラボ企業:伊東メリヤス工業株式会社
製品:ジャガードフード付きジャケット

アーティスト:柴田鋭一 「artist01_0233_eiichishibat」

コラボ企業コメント:伊東メリヤス工業株式会社 伊東 敏明
今回取り組んだ柴田鋭一さんのアート作品は、繊細かつ大胆な構図で、それを服で再現できるディテールは何かと悩みましたが、結果的にポケットやダーツなどのテクニックは使わず、作品のパワーが伝わるように、シンプルなフード付きジャケットをビックサイズに仕上げました。


コラボ企業:丸和繊維工業株式会社
製品:カットソーYシャツ

アーティスト:カミジョウミカ 「2001 昨⽇⾒た夢」
アーティスト:カミジョウミカ 「みんなにでかい木にやさしいエスディージーズ」

コラボ企業コメント:丸和繊維工業株式会社 深澤 信敬
「作品への敬意」を一番に考え試行錯誤を繰り返して出来上がった製品は、見る人が笑顔になるような素敵な仕上がりとなりました。今回の取組は自社の成長につながる大変貴重な機会でした。素敵なご縁をいただき感謝しております。


コラボ企業:百瀬繊維株式会社
製品:ノーカラージャケット・パンツ

アーティスト:柴田鋭一 「artisst01_0240_eiichishibata04-2」

コラボ企業コメント:百瀬繊維株式会社 百瀬 勇一
記事やアート作品の選定もすべて自由にでき、大変、取り組みやすいプロジェクトでした。しかも柴田鋭一さんの作画が繊細でシャープでクールなので、弊社の得意とするメンズのノーカラージャケットやパンツの相性がよく、納得のいく作品となりました。この作品が、ファッションショーでどのような評価を受けるかわかりませんが、作り手として、大変やりがいのある作品になりました。有難うございました。



「シブヤフォント」など、障がい者アート領域で実績のある株式会社フクフクプラスが、アーティストとのマネジメントを担当。当日は、起用したアート作品の原画を会場に展示したほか、アーティストであるカミジョウミカ氏、柴田鋭一氏もステージに登壇いただきました。

「TOKYO LOVE KNIT」ではプロトタイプとして既成のアート作品を洋服に落とし込みましたが、今後はオリジナルブランドを立ち上げ、オーダーによる書き下ろしのアート作品と 1 点ものの洋服をセットにした今までに無い新しい障がい者アートの価値を提供してまいります。

【参加アーティスト、所属施設からのコメント】

・カミジョウミカ 氏より

私は 19 歳時、常染色体劣性遺伝性疾患のため入院していた病院のスタッフの顔をデフォルメして独学で描き始めました。それから 28 年の時間を創作活動メインで過ごしています。眠っている時に見る夢を作品にするのでこれからもたくさん夢をみたいです。

 

・柴田鋭一 氏が所属する施設「工房集」より

柴田さんにとって、絵を描くことは生活の一部であり、心落ち着ける行為になっています。自分の作品が売れることや展示されることなどに全く興味を示しませんが、柴田さんのお陰で、このような機会に恵まれ、幸せを感じています。

 

◆カミジョウミカ Mika Kamijo

19 歳時に、常染色体劣性遺伝性疾患のため入院していた病院のスタッフの顔をデフォルメし独学で描き始める。

描いているテーマは「カラフルな空想の世界」と「夢の世界」。

 ●個 展

2004 年 imagination カミジョウミカ展 (長野県軽井沢町)初個展。以降、県内外で個展を開催。

●賞 歴

1998 年 長野オリンピックアートパラリンピック公募展街かど賞。以降、絵画コンテストにてグランプリ・優秀賞・特別賞・

佳作・入選。

●グループ展

2003年 アート村第9回 デザイン大賞作品展(東京都)。以降、県内外、韓国、ニューヨークでグループ展に参加。

●制作・その他

2014 年 テレビ朝日『ポータル ANN ニュース&スポーツ』タイトルイラスト作品制作

2018 年 FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA(横浜駅西口)フードコート壁画常設展示

2020 年 第 1 回アートパラ深川おしゃべりな芸術祭(東京都江東区)メインビジュアルを担当

2022 年 ユニリーバ・ジャパン「あしたにエール!キャンペーン」2022 メインビジュアル採用

2023 年 大和ハウス工業「ミライマチアート」絵画制作

サンプル制作にご協力いただいた作品

◆柴田 鋭一 Eiichi Shibata

1970 年生まれ。柴田さんにとってはもはや描く行為自体が気持ちの良いこと、そして落ち着かない時に自らを安定させるものとなった。永遠の謎である“せっけんのせ”を 25 年以上描き続けるベテランは、海外のアートフェアでも注目され、ニューヨークで行われた初個展で作品を完売させた。そんな快挙にも本人はどこ吹く風、至ってマイペース。言葉遊びを楽しみながら、仲間や職員、皆から人気者。

●作品収蔵

ポンピドゥー・センター/ジョルジュ・ポンピドー国立芸術文化センター(フランス)

●主な展覧会歴

2012 年 柴田鋭一 「せっけん」 小出由紀子事務所(東京都)

2013 年 OUTSIDER ART FAIR 2013 Center 548(アメリカ・ニューヨーク)

2014 年 「ポコラート受賞者展」 アーツ千代田 3331(東京都)

2014 年 「SOAP」 柴田鋭一個展 Yoshii Gallery(New York)

2014 年 「Outsider Art Fair」Paris Hotel le A(フランス・パり)

2014 年 「art brut: collection abcd/ Bruno Decharme」Maison Rouge(フランス・パリ)

2014 年 「集まる工房集展」もうひとつの美術館(栃⽊県)

2015 年 「Outsider Art Fair」 New York Center 548(New York)

2015 年 「Le Salon du Dessin Contemporain」 Le Salon du Dessin Contemporain(フランス・パリ)

2015 年 Art Brut Live – abcd collection/ Bruno Ducharme Center for Contemporary Art(チェコ・プラハ)

2015 年 「dRaw」展 INTUIT(Chicago)

2016 年 「out sider art fair2016」Metropolitan Pavilion(アメリカ・ニューヨーク)

2018 年 「Art Brut from Japan, Another Look」アール・ブリュット・コレクション(スイス)

2018 年 「繰り返しの極意」もうひとつの美術館(栃⽊県)

2019 年 「Art Brut from Japan, Another Look」アールブリュットコレクション(スイス・ローザンヌ)

サンプル制作にご協力いただいた作品

■ファッションショー「TOKYO LOVE KNIT」開催概要

開催日時:2024年2月16日(金)17時~19時

会  場:TRUNK(HOTEL) CAT STREET MORI

     (〒150-0001東京都渋谷区神宮前5-31)

登 壇 者:内山優花、植村颯太、沢田京海(トメイトゥ)、

     本望あやか、実熊瑠琉、りゅうと


TOKYO KNITの活動についての詳細は、今後も本サイトや公式SNSで随時お知らせいたします。どうぞご期待ください。

 

2023年度の活動についての詳細はニュースリリース(PDF:1.9M)をご覧ください。